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王妃マリー・アントワネットのためにブレゲが制作した名機「ブレゲ No.160」の忠実なレプリカ「ブレゲ No.1160」が日本で2日間限定展示

ブレゲNo.1160

写真は「ブレゲ No.1160」Breguet

時計史に残る名機「ブレゲ No.160」

「ブレゲ No.160」というモデル名よりも、「マリー・アントワネット(Marie Antoinette)」という呼び名の方がポピュラーかもしれませんが、1783年に、当時フランスの王妃だったマリー・アントワネット妃への贈り物として、天才時計師として当時名を馳せ、宮廷時計師として長く活躍していたアブラアム=ルイ・ブレゲ(Abraham-Louis Breguet)氏に発注されたというのがこの複雑懐中時計。

期限も費用も制限なしで発注されたという「ブレゲ No.160」には、ブレゲ氏が開発した最新技術がすべて投入(「トゥールビヨン」は当時まだ開発されていなかったので除きますが)され、現在に至るまで最高峰の複雑時計として知られます。

ケースはもちろん、ひげゼンマイまでゴールド製という、できるかぎり部品にゴールドを使用した素材にも贅を尽くした作り。クリスタル製の透明な文字盤がはめ込まれ、内部機構を見ることができますが、そこに搭載されるのは、当時「ペルペチュエル」と呼ばれていた「自動巻き機構」、ブレゲ開発による「パラシュート」耐震装置をはじめ、さらに「ミニッツリピーター」、「パーペチュアル・カレンダー」など現在でもコンプリケーションと呼ばれる複雑機構たち。

さらに10時位置に搭載される「イクエーション・オブ・タイム」は、実際の太陽時と時計が表示する時間との差(均時差)を表示。時計の中央には、これもブレゲの発明した「ジャンピングアワー」が配置されます。

分針は独立して作動可能なセンター秒針と連動するようになっていて、これは後のクロノグラフの原型と言われるもの。センター秒針とは別に6時位置にスモールセコンドが配置され、通常の秒表示はこちら行われます。

10時位置には48時間のパワーリザーブ表示、1時位置にはバイメタルを利用した温度計という2つが左右対称に配置されます。もう搭載された機能を羅列するだけでもこの長さ。

「ブレゲ No.160」の制作は困難を極め、完成を見ないまま、この時計が贈られるはずだったマリー・アントワネット王妃はフランス革命中の1793年10月16日に刑死してしまい、さらにブレゲ氏本人も1823年9月17日に亡くなります。

ブレゲ氏の死後も制作は続けられ、1827年になってようやく完成します。ブレゲ氏の死から4年、マリー・アントワネット王妃の死からは34年もの歳月が流れていました。

この「ブレゲ No.160」は、現在、エルサレム(イスラエル)にある「L・A・メイヤー記念イスラム美術館」に収蔵されています。1983年に何者かによって盗難された後、25年後になる2007年に発見されたり(発見当時のニュース記事: ブレゲ作のマリー・アントワネットの懐中時計、25年ぶりに見つかる - AFPBB News)と色々と話題の多い懐中時計ですが、この「ブレゲ No.160」を忠実に再現したレプリカが、今回、日本で展示される「ブレゲ No.1160」です。本題に入るまでは長かったですが......

現在によみがえる新たな名機「ブレゲ No.1160」

2004年に当時のスウォッチ・グループCEOだった故ニコラス G. ハイエック氏が、ブレゲ(スウォッチ・グループ)に対して「ブレゲ No.160」の完璧なレプリカを制作するよう求めました。

2004年当時、オリジナルは盗難されたままで発見されておらず、ブレゲの時計師たちは、当時の古い資料(オリジナルのデッサンなど)のみを基にこの難題に挑みます。4年間という長い年月をかけて完成した「ブレゲ No.1160」は、マリー・アントワネット王妃自身がお気に入りだったというヴェルサイユ宮殿のオークの木から作られた化粧箱に収められ、2008年4月に披露されました(下の動画は実際に披露された際の映像)。

もうレプリカと呼ぶのが失礼なレベルの芸術作品といえる「ブレゲ No.1160」。基本的にスイス国外には持ち出されず保管されていますが、日本では過去、2009年5月に銀座にあるニコラス・G・ハイエックセンターで展示されたことがあります。

それから7年経った今年、この「ブレゲ No.1160」が久しぶりに日本に上陸、一般に展示公開されます。

マリー・アントワネット展で2日間の限定展示

「ブレゲ No.1160」が展示されるのは、現在、森アーツセンターギャラリー(東京・六本木ヒルズ 森タワー52階)にて開催中の「マリー・アントワネット展」。

2016年11月2日(水)と11月3日(木・祝)の2日間に限り、特別展示されるとのこと。ちなみに11月2日はマリー・アントワネット王妃の誕生日です。

たった2日間のみの限定展示ですが、この時計史に残る名機を実際に生で見られるチャンスです。

ヴェルサイユ宮殿《監修》 マリー・アントワネット展

~美術品が語るフランス王妃の真実~

  • 開催期間:2016年10月25日(火)~2017年2月26日(日)※会期中無休
  • 開催会場:森アーツセンターギャラリー(東京・六本木ヒルズ 森タワー52階)
  • チケット情報などは公式サイトを確認

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