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今年(2016年)発表された新作で気になったモデルをピックアップ - コンプリケーション編

ロイヤル オーク コンセプト スーパーソヌリ

この記事は「腕時計 Advent Calendar 2016」第21日目の記事です。

今年、2016年に発表された新作で気になったモデルを年の終わりに振り返ってみるシリーズ。初回はクロノグラフ搭載モデル編を書きました(下記参照)が、第2回は、コンプリケーションウォッチ、つまり、複雑機構を搭載した腕時計編。

今回ピックアップするのは、「トゥールビヨン(Tourbillon)」、「ミニッツリピーター(Minutes Repeater)」、「永久(パーペチュアル)カレンダー(Perpetual Calendar)」、「スプリットセコンド (Split Seconds Chronograph)」などの複雑機構を1つ、もしくは複数搭載したモデル。

ランゲ1 トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー

ランゲ1 トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー

言わずと知れた時計ブランドの名門、「A.ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne)」を代表するモデルといえば、1994年のブランド復活と同時に発表された第1号コレクションのひとつとして、今でもA.ランゲ&ゾーネを代表するコレクションである「ランゲ1(Lange 1)」。

この「ランゲ1」に「トゥールビヨン」と「パーペチュアルカレンダー」という2つの複雑機構を搭載したのが、「ランゲ1 トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダー(Lange 1 Tourbillon Perpetual Calendar)」です。

以前から100本限定のプラチナケースモデルと、レギュラーラインナップのピンクゴールドケースモデルが存在していましたが、今年、2016年の新作として、新たにK18ホワイトゴールドケースにグレー文字盤を組み合わせたラインナップが加わりました。

ランゲ1の特徴であるアウトサイズデイト、レトログラード式の曜日表示に加え、ダイヤル周辺には月次を示すリングと、うるう年表示が配置されます。

パーペチュアルカレンダー機構は、2100年まで日付を修正する必要はなく、スモールセコンドに統合されているムーンフェイズ表示に至っては、1日の修正が必要となるのが122.6年後という、まさに「永久」の名にふさわしい超複雑機構が組み込まれています。

搭載されるムーブメントは、ランゲ自社製キャリバー「Cal.L082.1」(76石、21,600振動/時)。パワーリザーブは約50時間。

ケースサイズは41.9mmで、価格は3,411万円(税別)ということで、もう家が買える値段ですね。

ダトグラフ パーペチュアル・トゥールビヨン

ダトグラフ パーペチュアル・トゥールビヨン

A.ランゲ&ゾーネからもう1本。械式時計の歴史に衝撃を与え、機械式クロノグラフの模範とも言われる程、その審美性が高く評価される「ダトグラフ(Datograph)」に、「トゥールビヨン」と「パーペチュアルカレンダー」という2つの複雑機構を搭載したグランドコンプリケーションが、「ダトグラフ パーペチュアル・トゥールビヨン(Datograph Perpetual Tourbillon)」。

A.ランゲ&ゾーネ 手巻きキャリバー「Cal.L952.2」

搭載されるムーブメントは手巻きキャリバー「Cal.L952.2」(59石、18,000振動/時)。パワーリザーブは約50時間。

ストップセコンド機能搭載トゥールビヨン、プレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンター搭載フライバック・クロノグラフ、アウトサイズデイト、月、曜日、うるう年表示付きパーペチュアルカレンダー、デイ・ナイト表示 ムーンフェイズ表示、パワーリザーブ表示と複雑機構てんこ盛りのダトグラフは、41.5mmサイズのプラチナケースにブラックの手縫いアリゲーターストラップが組み合わされて、世界限定100本、参考価格は295,000ユーロということで、日本円にすると約3,636万円です。

ブルガリ オクト フィニッシモ ミニッツリピーター

ブルガリ オクト フィニッシモ ミニッツリピーター

2014年に世界で最も薄いムーブメントを搭載した「オクト フィニッシモ トゥールビヨン(Octo Finissimo Tourbillon)」を発表するなど、世界屈指のハイジュエラーであると同時にウォッチ製造の分野でも存在感を示す「ブルガリ(Bvlgari)」が今年発表して世界中を驚かせたのが、ミニッツリピーターを搭載した世界最薄コンプリケーションウォッチ「オクト フィニッシモ ミニッツリピーター(Octo Finissimo Minute Repeater)」。

搭載されるムーブメントは、厚さ3.12mmという極薄のミニッツリピーター搭載手巻きムーブメント「Cal.BVL 362」(36石、21,600振動/時)。パワーリザーブは約42時間。

40mmサイズのチタニウムケースを採用しているのは、チタン素材がミニッツリピーターの音響効果に優れているから。さらに文字盤にスリットを設けることで、サファイヤクリスタルガラスと文字盤の間の空間を音響室のように利用して音量と音質を向上させるアイデア。まさに機械式腕時計におけるパラダイムシフトを体現するモデルと言えます。

世界限定50本、価格は1,762万円(税別)。

パルミジャーニ・フルリエ トンダ クロノール アニヴェルセール

パルミジャーニ・フルリエ トンダ クロノール アニヴェルセール

パルミジャーニ・フルリエ(Parmigiani Fleurier)が1996年の創業から20周年の節目となる今年発表した新作が、スプリットセコンド式クロノグラフを搭載する「トンダ クロノール アニヴェルセール(Tonda Chronor Anniversaire)」。

搭載されるムーブメントは、手巻きの「Cal.PF361」(35石、36,000振動/時)。パワーリザーブは約65時間。

ケースサイズは42.1mm。素材はローズゴールド、もしくはホワイトゴールドから選択可能。文字盤のカラーとしてホワイト、ブルーが用意され、それらの組み合わせによって4モデルのラインナップ。各カラーごとに25本という少数製作になります。ストラップはブラック、またはブラウンのアリゲーターストラップ仕様。

パルミジャーニ・フルリエ トンダ クロノール アニヴェルセール

12時位置にはビッグデイト、中央にスプリットセコンド クロノグラフ、6時位置にはパワーリザーブ表示を搭載。ケースバックはシースルーバック仕様で、美しいムーブメントを見ることができます。また、ケースバックにはシリアルナンバーが刻印されます。 価格は1,687万5,000円(税別)。

ショパール L.U.C フル ストライク

ショパール L.U.C フル ストライク

ショパール(Chopard)の自社製ムーブメントを載せたコレクション「L.U.C」は、創業者で時計師であるルイ・ユリス・ショパール(Louis-Ulysse Chopard)氏にちなんで名付けられたコレクション。そのムーブメントを製作する「ショパール マニュファクチュール(Chopard Manufacture)」の創立20周年を記念して、5年の歳月をかけて開発されたのが、ミニッツリピーター搭載の「L.U.C フル ストライク(L.U.C Full Strike)」です。

2016年11月に行われたワールドプレミアでお披露目されたこのミニッツリピーターは、ゴング素材を通常の金属素材ではなく、サファイヤクリスタル、しかも風防と一体成形するというかつてない手法を採用することにより、まさにクリスタルグラスを叩いたような澄んだ音質と、現行ミニッツリピーターの中でも最大級の音量を実現。まさにミニッツリピーターの常識を塗り替える衝撃の1本と言えます。

搭載されるムーブメントは手巻きキャリバー「Cal.L.U.C 08.01-L」(63石、28,800振動/時)。パワーリザーブは約60時間。ツインバレル(香箱を2つ搭載)仕様になっていて、1つの香箱はミニッツリピーター用に独立しています。これによって「12時59分」を「12回」(要するに「時」で12回、「四半時」で3回(この時点で45分)、「分」で14回の計29回を、12セットということですね)鳴らせるだけのパワーリザーブを実現。

ケース素材はK18ローズゴールド。ケースサイズ42.5mmで3気圧防水。限定20本、予定価格は3,002万円とのこと。

ラジオミール 1940 ミニッツリピーター カリヨントゥールビヨン GMT オロロッソ

ラジオミール 1940 ミニッツリピーター カリヨントゥールビヨン GMT オロロッソ

オフィチーネ パネライ(Officine Panerai)が、イタリア、フィレンツェにあるマリノ・マリーニ美術館で開催した「Panerai - Dive Into Time」にて発表したのが、ミニッツリピーター、トゥールビヨンを搭載したグランドコンプリケーションウォッチ「ラジオミール 1940 ミニッツリピーター カリヨントゥールビヨン GMT オロロッソ - 49mm(Radiomir 1940 Minute Repeater Carillon Tourbillon GMT Oro Rosso - 49mm)PAM00600」。

49mmサイズのK18レッドゴールドケースに搭載されるムーブメントは、1周30秒でキャリッジが1回転する高速トゥールビヨン、3音階を奏でるカリオンミニッツリピーターを搭載した、パネライ自社製の手巻きキャリバー「P.2005/MR」(59石、28,800振動/時)。パワーリザーブは96時間。

特徴的なのはGMT機能を搭載し、パネライが「ダブルアワー・ミニッツリピーター」と呼ぶ機構によって、ホームタイムと、ローカルタイムから選択してリピーターを鳴らすことができる点。とんでもない複雑機構が詰め込まれたパネライ渾身の1本。

受注生産のため、ケースや針の素材などはカスタムオーダーが可能とのことですが、予定されている納期は約2年らしいです。価格は4,800万円。

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・ジャイロトゥールビヨン

ジャガー・ルクルト レベルソ・トリビュート・ジャイロトゥールビヨン

ジャガー・ルクルト(Jaeger-Lecoultre)の「レベルソ(Reverso)」コレクションは、レクタングルの反転ケースが特徴の、同社を代表する人気コレクションですが、このレベルソ コレクション誕生85周年を記念して発表されたコンプリケーションモデルが、「レベルソ・トリビュート・ジャイロトゥールビヨン(Reverso Tribute Gyrotourbillon)」です。

搭載されるムーブメントは手巻きキャリバー「Cal.179」(52石、21,600振動/時)、パワーリザーブ約38時間。特徴的なのは、6時位置に設置された同社独自のトゥールビヨン機構「ジャイロトゥールビヨン」。

トゥールビヨンのキャリッジが2重構造になっていて、外側のキャリッジは文字盤に対して水平方向に1分間で1回転という一般的な動きをするのと同時に、内側のキャリッジは垂直方向に、12.6秒に1回転という超高速で回転することで、まるでキャリッジが宙を舞っているかのような動きを見せます。

実際の動きは下記の動画がわかりやすいと思います。

ケースはプラチナ製で3気圧防水。グレイン仕上げのラウンド型ホワイトダイヤルにブルースチール針、美しいエングレーブが施されたスケルトン仕様のムーブメントをはじめ、仕上げは完璧のひとこと。反転ケースの裏表で2つの時間を表示する第二時間帯表示機能付き。世界限定75本、価格は日本円で約3,328万円。

オーデマ・ピゲ ロイヤル オーク コンセプト スーパーソヌリ

ロイヤル オーク コンセプト スーパーソヌリ

この記事内で、ミニッツリピーターを挙げるのは4モデル目になりますが、そのくらい今年はミニッツリピーターの新作ラッシュで、各ブランドの技術力の粋を結集した注目モデルが目白押しとなった年でした。

そんな今年、「オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)」が発表したミニッツリピーターが「ロイヤル オーク コンセプト スーパーソヌリ(Royal Oak Concept Supersonnerie)Ref.26577TI.OO.D002CA.01」。

ケースは44mmサイズのチタニウムケース。そのケースに搭載されるのは、手巻き「Cal.2937」(43石、21,600振動/時)。パワーリザーブ約42時間。このクロノグラフ搭載ムーブメントに、ミニッツリピーター、さらにトゥールビヨンも搭載されています。センター秒針はクロノグラフ針。3時位置には30分積算計。

まず理想的なミニッツリピーターの音質を過去のミニッツリピーターから探し出し、その音質を科学的に分析することで理想の音を具体的な振動数というデータとして導き出し、そのデータを基にゴング等の音響パーツを設計・製造するというアプローチによって、歴史的な名作ミニッツリピーターの音質を現在に蘇らせることに成功しています。

ゴングの音を増幅させる金属製の音響盤が、パッキンを介してムーブメントを密封し(ちょうど内蓋のような感じに)、その外側にスリットを設けた裏蓋を取り付けるという設計によって、ミニッツリピーターでは難点となる防水面をクリア(実用に耐える20m防水)しつつ、十分な音量を実現したこの画期的なミニッツリピーターは、まさに「スーパーソヌリ」の名に恥じない1本となっています。なお、予定販売価格は5,975万円(税別)とのこと。

下記の動画ではその美しい音色を聴くことができます。

タグ・ホイヤー カレラ ホイヤー 02T

タグ・ホイヤー カレラ ホイヤー 02T

タグ・ホイヤー(Tag Heuer)が「2016 Baselworld(バーゼルワールド)」で発表した「タグ・ホイヤー カレラ ホイヤー 02T(Tag Heuer Carrera Heuer-02T)」は、グレード5チタン製、45mmケースに自社製の自動巻きフライング式トゥールビヨン搭載クロノグラフ ムーブメントを搭載した最新モデルですが、腕時計ファンを驚かせたのはその価格。

下記の記事で詳しく書いていますが、発表された予定販売価格は「15,000 CHF(スイスフラン)」、現在の為替レートで日本円にすると約166万円という、トゥールビヨン搭載モデルとしては、ちょっと考えられない低価格で、まさに手が届くコンプリケーションウォッチです。

フレデリック・コンスタント スリムライン パーペチュアルカレンダー マニュファクチュール

スリムライン パーペチュアルカレンダー マニュファクチュール FC-775S4S6

フレデリック・コンスタント(Frederique Constant)が「2016 Baselworld(バーゼルワールド)」で発表した「スリムライン パーペチュアルカレンダー マニュファクチュール(Slimline Perpetual Calendar)」コレクションは、ムーンフェイズ機構にパーペチュアル・カレンダーを搭載しながら、国内定価120万円台(税別)というリーズナブルな価格帯で購入できるコンプリケーションウォッチ。

搭載されるムーブメントは、自社製の自動巻きムーブメント「Cal.FC-775」(26石、28,800振動/時)。パワーリザーブは38時間。ケースは42mmサイズのステンレススティールでシースルーバック仕様。防水性能は3気圧防水。ローズゴールドモデルも、ケース素材はステンレススティールで、ローズゴールドプレート加工にすることでコストを抑えています。

フレデリック・コンスタントは今年、シチズン時計株式会社の傘下となっていますが、良質なスイス製機械式腕時計を、「手の届く価格帯」で提供するという理念のもと、価格と品質のバランスがとても良いコレクションを多くリリースしています。

このコレクションも、コンプリケーションに分類される、パーペチュアルカレンダーを搭載しながら、購入しやすい価格帯になっていますので、手軽にコンプリケーションウォッチを楽しみたいという時計愛好家の願いを叶えてくれる貴重なモデルです。


さて、いかがでしたでしょうか。今年も魅力的なモデルが数多く発表されました。

コンプリケーションウォッチについてはその価格から実際に購入できる人は限られているため、我々のような一般人はすげぇなぁと言いながら眺めているだけではありますが、それでも各ブランドがその持てる時計製作の技術のすべてをつぎ込んだコンプリケーションウォッチの数々は、時計好きを熱くさせます。来年はどんな新作が発表されるのか、今から楽しみです。

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